2024年から始まる新NISAの制度改正を5つのポイントで解説

 

現在の一般NISAは、非課税で少額から投資を行える制度で2014年1月にスタートしました。

令和5年度与党税制改正大綱が12月16日に取りまとめられ、来年度税制改正大綱ではNISAの抜本的な拡充・恒久化を行うことで、成長と分配の好循環を実現する動きがあるようです。

2024年から新NISAとして制度が新しくなりますが、そもそもNISAってどうなんだろう?今までとどう違うの?と、思っている方は多いと思います。

ここでは、2024年から始まる新NISAの制度改正を5つのポイントで解説します。

投資枠が1800万円に拡大

2024年の改正後は、つみたてNISA投資枠が年間120万円、成長投資枠(一般NISA)が年間240万円と大幅に投資枠が拡大します。

「つみたて投資枠」では現行のつみたてNISAの対象ファンドが買えます。つみたて投資枠は1800万円を最大に投資することが可能です。

一方で、1800万円のうち1200万円までは「成長投資枠」として利用することが可能でさまざまな上場株式や投資信託が買えます。

非課税期間が無期限になる

旧制度のつみたてNISAは課税期間も2018年~2042年までに投資したものだけであり、非課税期間が20年と決まっていました。一般NISAにおいては、5年の非課税期間が決まっており、更に非課税期間を延ばしたい場合はロールオーバーをする必要がありました。

新制度では投資可能期間は無期限となります。

5年で1800万円の投資枠を使いきっても、50年かけて1800万円の投資枠を使い切ってもNISA制度が恒久化になりました。

最短5年で枠を使い切れる

2024年の改正後は、つみたてNISA投資枠が年間120万円、成長投資枠(一般NISA)が年間240万円と大幅に投資枠が拡大します。

2つを合わせると年間360万円になるので、早くて5年で1800万円の最大投資枠がフルになります。

つみたてNISAだけの買付の場合は最大投資枠の1800万円が適用予定のため、以下のようになります。

36万円/年(月3万円)の場合の積立可能期間は15年(1800万円÷36万円=50年)
120万円/年(月10万円)の場合の積立可能期間は15年(1800万円÷120万円=15年)
毎月2万円を5年間+6年目以降は毎月4万円を積み立てた場合

最初の5年間:1800万円-120万円(月2万円×12か月×5年)=1680万円

6年目以降:1680万円÷48万円(月4万円×12か月)=35年

今までは一定の金額を投資することしかできませんでしたが、どんどん投資できる年もあれば、出来ない年もあるでしょう。そういったところで柔軟に投資ができるようになったのもメリットとしえるでしょう。

売却をすると非課税枠ができる

1800万円の投資枠は取得価額で管理されます。

例えば、1年目にAファンドを100万円で購入し、2年目で150万円になったのち、利益確定し売却しました。売却をすると非課税投資枠が買付価額で1700万円から1800万円に復活することができます。

つまり、売却後の非課税枠は取得価額で復活するということです。

注意する点としては、年間の投資額が360万円までと決まっていることです。

1年内で360万円の投資枠をフルに使い切ったあと、100万円分のファンドを売却した場合、非課税枠は100万円分復活しますが、年間投資上限額は360万円と決まっています。

復活した100万円分の非課税枠を利用できるのは、翌年からになるということです。

旧制度と併用が可能

今までは、つみたてNISAが年間40万円×20年間=800万円

一般NISAが年間120万円×5年間=600万円が最大投資可能枠でした。

2024年以降に新しくつみたてNISAで投資をすることができませんが、2023年までに投資した分は、非課税期間(投資してから20年)が保証されます。

今まで、つみたてNISAで240万円を投資し、2024年からの新NISAの投資枠が最大1800万円のため、投資枠が2040万円分の優遇が受けられることになりました。先行して投資を始めていた方にとっては大きなメリットになるといえるでしょう。

一般NISAで投資していた方は2023年までに投資していた分は、5年間の非課税期間が保証されます。

ただし、非課税期間の終了と同時に取得価格が最新の時価に置き換わる点に注意が必要です。

例えば、2018年に100万円分の株を購入し、2023年に同株が60万円に値下がりした場合、

2027年に100万円の取得価額に戻ると(100万円-60万円=)40万円に税金がかかります。

今まではロールオーバーで対処が可能でしたが、新NISAではロールオーバーの制度がなくなる点にも注意が必要です。

まとめ

 2024年から始まる新NISAの制度改正を5つのポイントで解説してきました。

新NISAは、現行と比べて、つみたて型の年間枠が3倍の120万円、一般型は2倍の240万円に拡大し、生涯で買付残高1,800万円まで投資できるようになります。更に売却すると枠が空くので、大きな利益獲得を狙いやすくなりました。そして、成長投資枠(一般NISA)とつみたてNISAの併用が可能になったことから更に使いやすく、投資ができるシステムになります。

今からNISAを始めれば、非課税枠をより増やすことができます。NISAに興味があるけど、どうしたらいいかわからない!という方はまずは、口座開設の一歩を踏み出しましょう!

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